なぜ今、スマホ時代に「防災ラジオ」が絶対に必要のか?
「スマホがあれば、ラジオは要らないのでは?」
そう考える方も少なくないでしょうし、私自身もスマホがあれば良いよって思ってました。しかし、災害時において、その考えは非常に危険なことが分かってきました。ラジオには、スマホにはない絶対的な強みがあるのです。
災害時、スマホは「使えない」可能性を考える
東日本大震災、熊本地震、能登半島地震など、過去の大規模災害では多くの地域でスマホの機能が著しく制限されました。
- 基地局の損壊・停電:キャリアの基地局自体がダメージを受けたり、停電したりすると、圏外になり通信ができません。
- 通信の渋滞:安否確認などで通話やデータ通信が殺到し、ネットワークがパンク状態に。「繋がる」までに数時間以上かかることもあります。
- バッテリー問題:最も深刻なのがバッテリーです。いざというときに使えてこそスマホです。しかもモバイルバッテリーも容量には限りがあります。
ラジオだけが持つ「情報収集の強み」とは
一方、ラジオは災害時にこそ、その真価を発揮します。
- 消費電力の少なさ:スマホに比べて圧倒的に消費電力が少なく、手回し充電や乾電池で長時間稼働します。
- インフラの強靭さ:ラジオの放送局は、非常用電源を備えていることが多く、災害時でも放送を継続できるように設計されています。
- 命を守る「地域情報」:テレビやネットでは得られない、「今いる場所」の避難所の情報、給水所の場所、道路状況、救援物資といった、命に直結する地域密着型の情報を得ることができます。
スマホが「個人の安否確認」に強いツールだとすれば、ラジオは「公的な救助情報」を得るための最強のライフラインなのです。
後悔しない!防災ラジオ選びで絶対に外せない7つのポイント
いざ防災ラジオを選ぼうとしても、種類が多くて迷ってしまいますよね。ここでは、防災のプロも推奨する、購入前に必ずチェックすべき7つのポイントを解説します。
- 電源方式:最低3種類以上に対応しているか
最も重要なのが電源です。1つの方法に頼らず、複数の充電方法が確保されているモデルを選びましょう。- 手回し充電:停電時でも確実に電気を作れる最後の砦。1分間の手回しで10~15分程度ラジオが聴けるものが目安です。
- ソーラー充電:日中、窓際に置いておくだけで充電可能。時間はかかりますが、貴重な電力を補えます。
- USB充電:普段使いや、モバイルバッテリーからの充電に便利。定期的にフル充電にしておきましょう。
- 乾電池対応:最も手軽で確実な電源。単3や単4など、入手しやすい電池に対応していると安心です。
- 受信周波数:「ワイドFM(FM補完放送)」に対応しているか
AMラジオは、鉄筋コンクリートの建物内では電波が届きにくい弱点があります。しかし、「ワイドFM」に対応していれば、AM放送の番組を、災害時でもクリアに聞こえるFMの周波数で聴くことができます。ここは大きなポイントです。 - ライト機能:暗闇での「見える」安心感
停電時の夜、明かりがあるだけで安心感が全く違います。読書ができるほどの強い光である必要はありませんが、手元や足元を確実に照らせるLEDライトは必須です。 - SOSアラーム機能:自分の居場所を知らせる命綱
ケガで動けない時や、瓦礫の下に閉じ込められた時、大声を出さずに自分の存在を外部に知らせることができます。小さな子供やお年寄りがいるご家庭では特に重要な機能です。 - スマホ充電機能:あくまで「緊急用」と心得る
多くの防災ラジオに搭載されていますが、これでスマホをフル充電することは期待できません。目的は「緊急連絡ができる最低限の電力を確保する」ことです。1分間の手回しで数分間の通話ができる、といったレベルの「延命措置」と考え、過信しないことが大切です。 - 携帯性・耐久性:持ち運びやすく、壊れにくいか
防災リュックに入れることを考えると、500mlまでの軽量ペットボトル程度のサイズ・重さが一つの目安です。また、多少の雨でも安心な「防水機能(IPX3相当以上)」があると、屋外での避難時にも心強いでしょう。 - 信頼性:国内メーカーや実績のある製品か
命を守る道具だからこそ、信頼性は重要です。安価すぎる無名ブランドの製品は、いざという時に「充電できない」「ラジオが聞こえない」といったトラブルも。国内メーカーの製品や、防災用品として長年の販売実績があるモデルを選ぶと安心です。
我が家のお守り「防災ラジオ」を徹底レビュー
ここで改めて、娘が贈ってくれた我が家の「お守り」をご紹介します。箱の中身は次の4点でした。
- ラジオ本体
- 充電用USBケーブルとアダプター
- 保管に便利な専用袋
- 取扱説明書
専用袋は、防災リュック内で他の物とぶつかって傷がつくのを防いでくれる、地味に嬉しい付属品です。
実際に使って分かった“5つの良い点”
- 小型でも安心感は大きい:片手で持てるコンパクトさなのに、機能が凝縮されています。停電時、手回し発電ですぐに使えるのは本当に心強いです。
- 手回しハンドルの回しやすさ:ハンドルが適度に長く、軽い力でスムーズに回せます。子供の力でも十分発電できました。
- ラジオの感度が良い:ワイドFM対応なので、マンションの室内でもAM放送がクリアに聞こえました。チューニングも合わせやすいです。
- 普段使いでも活躍:週末のキャンプや庭仕事の時にラジオを流すと、とても良い気分転換になります。非常用としてしまい込むのではなく、日常の生活に自然となじみました。
- 分かりやすい操作性:ボタンが少なく、説明書を読まなくても直感的に操作できるのが良い点です。災害で混乱している時でも、迷わず使えそうです。
注意点:スマホ充電は「最後の手段」
先ほども触れましたが、スマホ充電機能はあくまで「緊急用」です。試しに、5分間必死にハンドルを回してみましたが、スマホのバッテリー表示は2%しか増えませんでした。緊急連絡用に数%を確保する、という目的以上の期待は禁物です。やはり、大容量のモバイルバッテリーとの併用が安心だと再確認しました。
【目的別】あなたにぴったりの一台が見つかる!おすすめ防災ラジオ3選
我が家のラジオの体験も踏まえ、数ある製品の中から「これなら間違いない」と自信を持っておすすめできる防災ラジオを、目的別に3つ厳選しました。
1. 【家族で備える決定版】コスパと多機能のバランスならこちら
防災ラジオに求められる「手回し・ソーラー・USB・乾電池」の4つの電源方式を完備し、ワイドFM、ライト、SOSアラーム、スマホ充電と、必要な機能が全て詰まったオールインワンモデル。一家に一台、まずこれを備えておけば間違いないという安心感があります。操作もシンプルで、誰でも使いやすいのが特徴です。
2. 【日常にも溶け込む】デザインも重視したいならこちら
防災グッズとは思えない、洗練されたデザインが魅力の一台。普段はキッチンや寝室に置いて、日常的にラジオや照明として使えます。いざという時に「どこにしまったか分からない」という事態を防ぎ、インテリアにこだわりたい方にもおすすめです。もちろん、防災用品としての基本性能も高く、信頼できるモデルです。
3. 【はじめの一歩に最適】お手頃で手に取りやすい定番モデル
「まづは最低限の機能を備えたい」という方に最適な、コストパフォーマンスに優れたモデル。多機能ではありませんが、「ラジオを聴く」「明かりを灯す」という最も重要な機能に絞り、確かな品質で定評があります。手のひらサイズで非常に軽いため、防災リュックに入れても全く邪魔になりません。
まとめ:防災ラジオは、家族の命と心を守る「お守り」です
災害は、いつ、どこで起こるか分かりません。
あの日、娘がラジオをプレゼントしてくれなかったら、我が家はまだ具体的な防災対策を先延ばしにしていたかもしれません。
防災ラジオを備えるということは、単に情報を得るための機材ではありません。
これをきっかけに家族と防災について話し合い、備えを確認し、いざという時にパニックにならずに行動するための「心のスイッチ」を入れることです。
「備えあれば憂いなし」という言葉の通り、防災ラジオは家族の命を守るための最初の一歩であり、日々の不安を和らげてくれる小さなお守りです。
娘が贈ってくれた一台のラジオは、今ではすっかり我が家のリビングの顔になりました。
あなたの家庭にも、ぜひ「お守り」として、信頼できる一台を備えてみてください。

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