防災グッズ、何を詰め込んだらよいのでしょうか? 「あれもこれも必要……でも、重くて持ち運べなければ意味がないし」
そんなことを考えていると、「まあ、今度で良いか」なんて先送りしがちですよね。
「防災セットって高そうだし、何をどれだけ買えばいいのか分からない」 「買っても、クローゼットの奥で賞味期限切れになりそう」
実はこれ、以前の私もそうでした。 災害から家族を守りたい気持ちはあるのに、完璧を目指そうとして、逆に動けなくなってしまっていたんです。
でも、大丈夫です。 防災は「一度に全部」揃える必要はありません。まずは「最初の1日(一晩)」をしのぐことが基本です。
よく「最低3日分は必要」と言われますが、大人1人の「3日分」の水と食料をまじめにリュックに詰めると、重さが10kgを超えてしまいます。 それでは重すぎて、いざという時に走って逃げられません。まさに本末転倒ですよね。
この記事では、防災士のようなプロ目線ではなく、私たち生活者の目線で「本当に最低限、これだけあれば何とかなる!」というリストを厳選しました。
今日、この記事を読み終える頃には、「あ、これなら週末に揃えられるかも」と、肩の荷が降りて安心できているはずです。 まずは、家にあるリュックなどを用意して、一緒にチェックしていきましょう。
張り切りすぎなくて大丈夫。防災には「2つのフェーズ」があります
「防災グッズ」と一言で言っても、実は「逃げるためのもの」と「家で生活するためのもの」は全く別物です。ここを混同してしまうのが、リュックがパンパンになってしまう最大の原因です。
「全部揃えなきゃ」と思うと動けなくなる理由
「水も食料も、毛布も着替えも……」と考えていくと、登山家のような装備になってしまいますよね。 でも、災害直後の混乱の中で、そんな重装備を持って走ることはできません。
まずは、防災用品を以下の2つに分けて考えましょう。
- 1次持ち出し品(今回のテーマ): 発災直後、命を守って避難所まで逃げるための「非常持ち出し袋」。軽く動けることが最優先。
- 2次備蓄品(次のステップ): ライフラインが復旧するまで、自宅で生活するための水や食料(ローリングストック)。
今回は、前者の「1次持ち出し品」だけに集中します。これなら、スーパーの買い物袋2つ分くらいの量で済みますよ。
まずはこれだけ!命を守る「一次持ち出し」最低限リスト
それでは、実際にリュックに入れるべきアイテムを優先度順に紹介します。 家に似たようなものがあれば、まずはそれで代用してOKです!
【優先度S】ないと命や尊厳に関わる「3種の神器」
これらは「避難所ですぐには手に入らない」かつ「ないと精神的に追い詰められる」ものです。
- 水(500mlペットボトル × 2本) 脱水を防ぐためです。重くなるので2リットルではなく500mlを推奨します。
- 簡易トイレ(最低5回分) 避難所のトイレはすぐに行列になり、汚れます。トイレを我慢して水分を控えると「エコノミークラス症候群」のリスクが高まるため、携帯トイレは必須です。
- 明かり(ヘッドライト または 懐中電灯) 夜間の避難は真っ暗です。両手が空くヘッドライトがベストですが、なければ懐中電灯でも構いません。
【優先度A】健康と衛生を守るアイテム
避難所は人が密集するため、感染症のリスクがあります。また、季節によっては寒さが命取りになります。
- マスク・アルコール消毒液
- 常備薬・お薬手帳のコピー 持病の薬は、救援物資では絶対に届きません。3日分は入れておきましょう。
- アルミブランケット 薄い銀色のシートです。100円ショップでも売っています。防寒対策に必須です。
- ウェットティッシュ(体拭きシート) お風呂には入れないので、体を拭くだけでも気分が救われます。
意外と忘れがち!スマホを守る電源と情報
「スマホがあれば何とかなる」と思っていませんか? 電池が切れたスマホはただの板です。
- モバイルバッテリー(乾電池式がおすすめ) 停電が長引くと充電できません。コンビニ等で入手しやすい「乾電池式」の充電器を一つ入れておくと最強です。
- 現金(小銭と千円札) 停電時は電子マネーやカードが使えません。小銭と千円札を数枚用意しましょう。
- 身分証・緊急連絡先のメモ スマホが壊れた時のために、家族の電話番号を書いた「紙のメモ」を入れておきましょう。
家にあるもので代用OK!お金をかけない工夫
「全部買わなきゃ」と焦る必要はありません。100円ショップや家にある日用品も、立派な防災グッズになります。
100円ショップで揃う便利グッズ
ダイソーやセリアで十分なものはたくさんあります。
- レインコート:防寒着にもなります。
- アルミブランケット:最近は音がカサカサしないタイプも100円で売っています。
- ウェットティッシュ:大判で厚手のものがおすすめ。
新聞紙とラップが最強の防災グッズになる理由
この2つは、隙間に必ず詰めておいてください。
- 新聞紙:クシャクシャにして服の中に入れれば「ダウンジャケット」並みに温かいですし、折れば「骨折時の添え木」にもなります。
- 食品用ラップ:お皿に敷けば、洗わずに食事ができて水を節約できます。怪我をした時の止血にも使えます。
市販セット vs 自作セット、どっちが正解?
「自分で集めるのは面倒くさい……」 「プロが選んだセットの方が安心な気がする」
そう迷う方も多いですよね。結論から言うと、「時間を買うなら市販、安く済ませるなら自作」です。
時間がない人は「市販セット」+「足りないもの」
市販の防災セットは、リュックの機能性が高く、基本アイテムが網羅されているのがメリットです。 ただし、「自分にとって必要なもの(メガネや常備薬)」は入っていません。 市販セットを買って、そこに個人の必需品を足すのが一番楽で確実な方法です。
こだわり派は「自作」でコストダウン
家に使っていないリュックがあるなら、中身だけを揃えれば数千円で済みます。 特に「トイレ」だけは、市販セットに入っている数(3回分など)では絶対に足りないので、別で買い足すことを強くおすすめします。
これだけは別で用意して!絶対に必要な『+1』アイテム
ここまでの話をふまえて、「まずはこれがあれば安心」というアイテムを厳選しました。 ご自身のスタイル(自作派か、セット派か)に合わせて選んでみてください。
① 【自作派向け】一番困る「トイレ」だけは確保する
リュックは家にあるものでOKですが、トイレだけは新聞紙では代用できません。 私が両親にも贈ったのが、こちらの**「イスになるトイレ」**です。避難所で和式トイレのようにしゃがむのは、高齢者や女性には辛いもの。普段は玄関の腰掛けとしても使えます。
② 【セット派向け】迷ったらこれ!圧倒的コスパの簡易トイ
「家族の人数が多い」「とにかく回数を確保したい」という方は、こちらの箱タイプを備蓄しておきましょう。コンパクトなのでリュックの底にも入ります。
まとめ:今週末、まずはリュックを空にしてみよう
防災の準備は「完璧」を目指すと疲れてしまいます。 まずは、家にあるリュックを空っぽにして、そこにあるペットボトルと、100均のレインコートを入れるところから始めてみませんか?
- 重すぎないか?(1日分でOK)
- トイレの備えはあるか?
この2点さえクリアしていれば、あなたの「備えるチカラ」は確実にレベルアップしています。 まずは今週末、最初の第一歩を踏み出してみましょう!


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